唯のフォーカシング体験記 1-2

〔フェルトセンスは昔から居た事に気付く〕
 どちらも動かなくなってしまったので困った私は、ちょっと★を一旦脇に置くことにしました。そして目を閉じて(★は目を通して世界を見ることが出来てしまう存在だったので、目を閉じると、無理なく脇に置くことが出来たのです)、●にやさしさを持って寄り添ってみよう、と思いました。さっきまでの私は★寄りな姿勢だったので、★を伴って●に耳を傾けようとしていたような感じだったのですが、ここで「私」は、★を伴わずに改めてひとりで、●に向き合ってみたのです。
 少しの間、変化を起こさない●と共に、ただ一緒に居てみました。挨拶しても応えがなかったので、無理に声をかけずに、ただ一緒に居てみようと思ったのです。●は拒むこともありませんでした(変化はありませんでした)。私は●の斜横に座ってみました。

 何故なのか今でもわかりませんが、とにかくそうしたらすーっととても自然に、私には●が昔から、子どもの頃からずっと、私の中に居たんだ〜! と感じられました。●は相変わらず何も言わなかったけれど、すごくはっきりとそう感じました。「私」と★は、●を、最近出てきて私たちを不快にさせるもの、と思っていたので、とても邪魔に思えて、追い出したい気持ちを持っていたのですが、「最近じゃないんだ。昔から居たんだ。『私』も★も、そのことを知っている。知っていたのに」という思いが沸き上がってきて、すごくショックであると共に、安堵感も得られました。そして、涙が出てきました。涙を流したのは「私」でもあり★でもあります(★は、目を通ることができ、何かを見たり、涙を流したりすることができるのです)。

〔わかったからといって、でもどうにも出来ずにいたら…〕
 ●が昔から居たという気づきは、とても大きな感覚でした。でも、それに気づいたそのときも、●は変化の兆しを見せません。再び、今度は私は★と共に「どうしたらいいんだろう…」と途方にくれ始めました。私は、「どうしたらいいんだろう…」と声に出して言ってみました。

 すると、これも突然の出来事だったのですが、足が動き始めたのです(**実際に動いたのではないですよ〜。あくまでも私の中で、です。私は終始椅子に腰掛けてフォ−カシングをしていました)。足がスタスタと歩き、●と★をひょいひょいと載せて、タッタカと飛脚のようにリズミカルに走り始めたのです。これには本当に驚きました(笑)。
 足は、「何も考える必要はない。何も考えずに、ただみんなをのせて、走ればいいんだよ♪」と言いました。そのとき実際に、足がものすごく軽く感じられ、とても不思議な身体感覚を経験しました。足がみんなをのせて走ってくれると、確かにその揺れやリズムはとても心地よく、また、眺め渡せる風景も草原のような、晴れていて緑が豊かで、とても美しい風景が広がっていました。

 でも私はそこで、その心地よさに浸る事が出来ず、足に向かって「でも、誰も載せないで走るほうが、もっとあなたは軽くなれて、もっと早く走れるんじゃないの?」と尋ねてしまったのです。すると、何も考えない足(笑)は「それもそうだ」と言って(おいおい)、実にあっさりと(^^;、●も★もその場に降ろしてしまいました。そして再び走って行きました。確かに、誰ものせないほうが、軽くて早く走ることができたし、私の足の軽さの実感も、そのときに一段カクンと、軽く感じられました。

 しばらくすると、足はこちらに向かって戻ってきました。そして「誰ものせないと確かに軽いけど、なんか物足りない」と言い、もう一度●と★をひょいひょいと乗せました。乗せた瞬間、現実の私の足にも、その重みが感じられ、さっきほどの軽さは無くなってしまいました。でも、一度軽くなってから再び乗せて重量感を感じたそのときに、足の裏が、きちんと大地に着いたような感じがしたのです。乗せているほうが、『地に足がついている』なあ〜という感じです。そして足も「私」も、「やっぱり乗せているほうがいいね」ということで気持ちが一致して、足は再び走り始めました。

→つづく

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